「患者力のすすめ」川嶋朗著
日本人1人当たりの年間受診回数は13.2回。対して、イギリスは5.0回、アメリカが3.9回など、日本人はとりわけ頻繁に病院に行く国民だ。
背景には、誰でも気軽に医者にかかれる国民皆保険の存在がある。
しかし、“すぐに医師に診てもらえる”という環境で、日本人は自分の体や治療法に対する主体性をなくしているのではないだろうか。
そこで大切になるのが、知る力、見抜く力、自己決定力、自己治癒力、往生力という5つの“患者力”を磨くことだと本書。風邪に抗生物質は無意味、かかりつけ医は家からの近さで選んではいけない、治療方針は医師ではなく家族と決める、QOD(死の質)を考えるなど、悔いのない人生を送るためのヒントを提供していく。
(幻冬舎ルネッサンス 1100円)