土用の丑の日に「環境」を考える編
しかし、これらは栽培地域の気候風土にあわせて、人間に都合のいいように改良されており、自然環境が変化すれば収穫量は一気に減少して私たちの口には入らなくなる。
植物を守るために自然を守ろうなどといわれるが、困るのは植物ではなく、それらに助けられて生きている人間だと本書。太古の昔から人間の食を支えてきた“相棒”ともいえる植物たちの生態を詳述しながら、共存・共生の道を探っていく。
(PHP研究所 840円)
■「先生、ワラジムシが取っ組みあいのケンカをしています!」小林朋道著
鳥取環境大学の人間動物行動学者による「先生!」シリーズの最新刊。
著者が幼いころから捕まえては遊んでいたという「ナガレホトケドジョウ」。かつてはあらゆる水場に生息していたが、今では絶滅が危惧され、レッドリストの最上位に挙げられている。実はこのドジョウ、非常に生命力が強い。たとえ水場の水量が激減しても、全身を強靭なムチのようにしならせて石と石の間をこじ開け、わずかな水を追って生き続けることができるのだという。