「なぜ、スポーツ選手は不正に手を染めるのか」マイク・ローボトム著、岩井木綿子訳
スローインの時間が変わろうと、試合の勝敗に影響はないかも知れない。実際、プレミアリーグの試合では、何の意味もないスローインの際に大喜びする選手が見られるという。しかし、金儲けのために選手が試合の流れを変える行為は、果たして正しいのか。軽い不正と重い不正という区別が生じることは、スポーツの中に「治外法権の認められる領域」を生むことで、やがて重い不正に対する感覚もマヒしていくだろう。
マフィアが絡む八百長やドーピングの例も挙げながら、ひいきチームの不正に甘い観客の責任などにも言及していく。