東日本大震災の壊滅的被害から復活した三陸鉄道の3年の軌跡を追ったルポルタージュ。
あの日の夕方、社長の望月の指示で宮古駅ホームに残っていた車両内に災害対策本部を設置。乗客の無事を確認する一方で、施設管理の担当者はいち早く保守工事や信号・通信工事を担当する各社に被害調査を依頼。被災2日後の早朝から北リアス線の被害状況を見て回った望月は、運行本部長の反対を押し切って4日後からの部分運行を決定する。
それは赤字路線ゆえに復旧に時間がかかれば不要論が出てくると考えたからだ。社員、沿線住民、地元自治体が一丸となった全線再開通までのドラマを追う。
(三省堂 1500円)