今から80年以上も前(昭和6年)に刊行された風俗探訪記。
1、2年前から大阪商人たちが乗り込んで東西カフェー合戦が始まった銀座で、密かに営業する高等魔窟。表向きはそうと分からぬ粋な構えの一軒家で、酒も料理も出ない。相手をしてくれる女性たちは、玄人ではなく中流以上の夫人や、デパートの女など、客の希望に応じて用意され、チェンジもきくという。その他、江戸時代さながらの吉原遊びや、娼妓がダンスをするという新宿の遊郭など。さらに大阪や神戸まで足を延ばし、女性たちとの駆け引きをリアルにつづりながら、各地の遊びの最先端を自ら体験報告する。
(中央公論新社 880円)