【年末に読みたい珠玉の時代・歴史小説】「冬を待つ城」安部龍太郎著
天正18(1590)年、小田原城を攻め落とした秀吉は奥州仕置きを行い、小田原に参陣しなかった大名らを改易。家の存続と所領の知行を認められた大名には、検知と刀狩りを断行し、秀吉の意に沿う統治を行うよう強要する。
北部奥州の知行を認められた南部信直は、秀吉の命令に従い一門の有力者に南部家への臣従を迫るが、長年、信直と確執を抱える九戸政実はこれを拒否。このままでは秀吉によって九戸家が滅ぼされてしまうことを危惧した政実の弟・政則は、2人の兄を動かし、信直と政実の会談を実現させる。
席上、一同は政実から秀吉の奥州仕置きの真の目的を聞かされ言葉を失う。
直木賞作家が、わずか3000の兵で秀吉軍15万に挑んだ「九戸政実の乱」を描いた長編歴史小説。
(新潮社 2000円+税)