【年末に読みたい珠玉の時代・歴史小説】「化土記」北原亞以子著

公開日: 更新日:

 天保14(1843)年、天保の改革推進派の勘定吟味役・栗橋伊織が闇討ちされ落命。老中・水野忠邦が改革の行き詰まりを打破するため、印旛沼の開拓と大名や旗本の領地を召し上げ代替地を与える上知令の準備に取り組んでいる最中の出来事だった。5年前、勘当され浪人となった緑太郎は、弟・伊織の死を知り、屋敷に駆けつける。残された伊織の妻・花重は緑太郎の元いいなずけだった。そんな中、伊織を殺したのは、紀州藩邸に出入りする浪人の「続兵馬」と名指しする投げ文があった。投げ文の主は、甲州郡内地方の一揆を首謀して逃走中に闇討ち現場に遭遇した兵助だった。緑太郎は、伊織を殺した首謀者をおびき出すために、花重らと印旛沼へと向かう。

 昨春、急逝した時代小説の名手が残した長編。

(PHP研究所 1800円+税)



最新のBOOKS記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    演技とイケオジぶりで再ブレーク草彅剛と「10億円マンション売却説」中居正広氏との“絆”

  2. 2

    泉ピン子が終活をやめたワケ「渡る世間は(水原)一平ばかり!」スペシャルインタビュー

  3. 3

    阪神からの戦力外通告「全内幕」…四方八方から《辞めた方が身のためや》と現役続行を反対された

  4. 4

    キムタク一家の妹Kōki,は映画主演の裏で…フルート奏者の姉Cocomiの話題作りと現在

  5. 5

    かんぽ生命×第一生命HD 人生設計に大切な保険を扱う大手2社を比較

  1. 6

    米田哲也が万引きで逮捕!殿堂入りレジェンド350勝投手の悲しい近況…《苦しい生活を送っていたのは確か》

  2. 7

    イスラエルにあなたの年金が流れていく…厚労省「ジェノサイド加担投資」引き揚げ“断固拒否”の不可解

  3. 8

    坂本花織の世界選手権66年ぶり4連覇に立ちはだかる…国際スケート連盟の「反トランプ感情」

  4. 9

    カーリング日本女子が到底真似できない中国の「トンデモ強化策」…世界選手権では明暗クッキリ

  5. 10

    公表された重点施策で露呈…JR東海の株価低迷と時代遅れの収益構造