「秘恋 日野富子異聞」鳥越碧著

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 永享12(1440)年、代々将軍家に正室を送り出してきた日野家の次女に生まれた富子は、所領の日野の里に預けられ幼少時代を過ごす。しかし、8歳のときに姉が急死したため呼び戻され、御台所としての教育を受ける。

 7年後、足利8代将軍義政から富子を正室として迎え入れるとの使者が来訪。時同じくして、富子が待ち続けてきた男がようやく日野の里から訪ねてきた。男は、里でともに育った幼馴染みの伊作だった。

 今は喬之介と名乗る伊作は、富子を守るためにこれまで剣の腕を磨き、満を持して里を出てきたのだった。

 後世に悪女とされた日野富子の秘した恋心を描く歴史長編。

(講談社 1800円+税)

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