「雨に泣いてる」真山仁著

公開日: 更新日:

 2011年3月11日、都内にいた毎朝新聞の記者・大嶽は、未曽有の災害が発生したことを直感する。駆け出し時代に体験した阪神・淡路大震災での失敗が心の傷として残っていて、現地での取材にこだわり、妻の反対を押し切って被災地へ向かう。

 仙台支局にたどり着くと、現地のデスク中岡から、三陸市に取材に出たまま消息が分からない新人記者の真希子を捜すよう頼まれる。真希子は社主の孫だった。

 翌朝、震災から2日後の沿岸部に足を踏み入れ、戦地のような現場の状況に息をのむ。情報を求め市役所に足を運んだ大嶽は、他紙の記者から真希子と行動を共にし、前日、遺体で発見された三陸通信局の広瀬が市長の汚職疑惑を取材中だったと耳にする。

 自衛隊の船に強引に乗り込み、海路から真希子が滞在していた寺に足を運んだ大嶽は、真希子の無事を確認する。しかし、真希子を命がけで救った住職の心赦は遺体で見つかる。住職が握っていた位牌の名前に大嶽は見覚えがあった。やがて大嶽は、心赦が13年前の判事夫妻殺害事件の犯人ではないかと疑念を抱く。

最新のBOOKS記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    火野正平さんが別れても不倫相手に恨まれなかったワケ 口説かれた女優が筆者に語った“納得の言動”

  2. 2

    中日1位・高橋宏斗 白米敷き詰めた2リットルタッパー弁当

  3. 3

    巨人今季3度目の同一カード3連敗…次第に強まる二岡ヘッドへの風当たり

  4. 4

    八村塁が突然の監督&バスケ協会批判「爆弾発言」の真意…ホーバスHCとは以前から不仲説も

  5. 5

    眞子さん渡米から4年目で小室圭さんと“電撃里帰り”濃厚? 弟・悠仁さまの成年式出席で懸念されること

  1. 6

    悠仁さま「学校選抜型推薦」合格発表は早ければ12月に…本命は東大か筑波大か、それとも?

  2. 7

    【独占告白】火野正平さんと不倫同棲6年 元祖バラドル小鹿みきさんが振り返る「11股伝説と女ったらしの極意」

  3. 8

    「天皇になられる方。誰かが注意しないと…」の声も出る悠仁さまの近況

  4. 9

    家族も困惑…阪神ドラ1大山悠輔を襲った“金本血縁”騒動

  5. 10

    無教養キムタクまたも露呈…ラジオで「故・西田敏行さんは虹の橋を渡った」と発言し物議