「悲嘆の門」(上・下) 宮部みゆき著

公開日: 更新日:

 物語の主人公はネット監視会社でサイバー・パトロールのアルバイトをする大学1年生・三島孝太郎。サイバー・パトロールとは、ネット上に存在する犯罪に結びつきそうな書き込みを発見する仕事なのだが、大学生活に熱が入らなかった孝太郎はこのアルバイトにやりがいを感じ始めていた。

 そんなある日、死体の一部を切り取る殺人事件が次々と発生。さらに西武新宿線の沿線付近のホームレスがいつのまにか姿を消していることも話題となり、ホームレス狩りをする中高生のサイトをチェックしていた孝太郎の先輩・森永が、連続失踪事件ではないかと言い始めて調査を開始する。ところが、その森永までが失踪してしまった。行方を捜し始めた孝太郎は、バブル期にもてはやされて、その後廃虚となったビルに行きつき、そこで恐ろしい怪物に遭遇する……。

 本書は、ベストセラー「英雄の書」と同じ設定で描かれたミステリー長編小説。「英雄の書」とは別に単独で読んでも楽しめる。ファンタジーの要素が多く盛り込まれており、ネット時代の言葉について考えさせられる内容となっている。

最新のBOOKS記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    べた褒めしたベッツが知らない、佐々木朗希"裏の顔”…自己中ぶりにロッテの先輩右腕がブチ切れの過去!

  2. 2

    バント失敗で即二軍落ちしたとき岡田二軍監督に救われた。全て「本音」なところが尊敬できた

  3. 3

    巨人今季3度目の同一カード3連敗…次第に強まる二岡ヘッドへの風当たり

  4. 4

    巨人・田中将大“魔改造”は道険しく…他球団スコアラー「明らかに出力不足」「ローテ入りのイメージなし」

  5. 5

    国民民主党は“用済み”寸前…石破首相が高校授業料無償化めぐる維新の要求に「満額回答」で大ピンチ

  1. 6

    佐々木朗希いったい何様? ロッテ球団スタッフ3人引き抜きメジャー帯同の波紋

  2. 7

    「今岡、お前か?」 マル秘の “ノムラの考え” が流出すると犯人だと疑われたが…

  3. 8

    佐々木朗希を徹底解剖する!掛け値なしの評価は? あまり知られていない私生活は?

  4. 9

    大阪・関西万博の前売り券が売れないのも当然か?「個人情報規約」の放置が異常すぎる

  5. 10

    僕に激昂した闘将・星野監督はトレーナー室のドアを蹴破らんばかりの勢いで入ってきて…