「美貌帖」金子國義著

公開日: 更新日:

 画家・金子國義の部屋は、時間をかけて集めたコレクションであふれている。和洋を問わないアートの数々、雑誌や写真、骨董、鏡、水晶の玉、貝殻の標本……。画家の審美眼にかなった愛しきものたちが空間を埋めている。

 自分の部屋を好みの絵で飾るために、絵を描き始めたのだという。涼しげでエロチックな美少女たち、バレエダンサーのような肉体を持つ美青年たち。本当に好きなもの、自分が陶酔できるものしか描けない、と言い切る画家が、その美意識の豊かな源にさかのぼり、半生をつづった自伝。たくさんの挿入写真からも、流れのままに才能を開花させていったこの人の軌跡が見える。

 1936年、埼玉県蕨市生まれ。織物工場を営む裕福な生家で、美しいものに囲まれて育った。着物、歌舞伎、絵画、映画、バレエ、音楽、料理。さまざまな土壌から養分を得て多様な才能を見せるが、画家への道はまだ見えていない。18歳から5年間、歌舞伎の舞台美術家、長坂元弘に師事。芸術家の天分に磨きをかけた。遊び好きでパーティー好き。類は友を呼ぶのか、多くの出会いがあった。

最新のBOOKS記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    「たばこ吸ってもいいですか」…新規大会主催者・前澤友作氏に問い合わせて一喝された国内男子ツアーの時代錯誤

  2. 2

    インドの高校生3人組が電気不要の冷蔵庫を発明! 世界的な環境賞受賞の快挙

  3. 3

    中森明菜が16年ぶりライブ復活! “昭和最高の歌姫”がSNSに飛び交う「別人説」を一蹴する日

  4. 4

    永野芽郁“二股不倫”疑惑「母親」を理由に苦しい釈明…田中圭とベッタリ写真で清純派路線に限界

  5. 5

    田中圭“まさかの二股"永野芽郁の裏切りにショック?…「第2の東出昌大」で払う不倫のツケ

  1. 6

    大阪万博会場は緊急避難時にパニック必至! 致命的デザイン欠陥で露呈した危機管理の脆弱さ

  2. 7

    永野芽郁「二股不倫」報道で…《江頭で泣いてたとか怖すぎ》の声噴出 以前紹介された趣味はハーレーなどワイルド系

  3. 8

    レベル、人気の低下著しい国内男子ツアーの情けなさ…注目の前澤杯で女子プロの引き立て役に

  4. 9

    永野芽郁“二股肉食不倫”の代償は20億円…田中圭を転がすオヤジキラーぶりにスポンサーの反応は?

  5. 10

    芳根京子も2クール連続主演だが…「波うららかに、めおと日和」高橋努も“岡部ママ”でビッグウエーブ到来!