「メガ! 巨大技術の現場へ、ゴー」成毛眞著
「こんな時代だからこそ、デッカいもの、見ようぜ!」を合言葉に、日常生活ではちょっとお目にかかれない巨大技術の現場を訪ね歩いたルポ。
まずは先日、全線開通した「首都高速中央環状線」。工事中だった2013年秋、大橋ジャンクション(JCT)から大井JCTまでをトンネルでつなぐ品川線部分の工事現場に潜入した。
外径12.55メートルと9.7メートルの2つのシールドマシンで掘削した2本のトンネルをつないで断面が楕円状の1本のトンネルを造る。地上への影響を最小限に抑えるため、資材を狭い縦穴から地下に運び込んで行う「非開削」工法で造られたトンネルは、8.4キロを掘っても誤差は数ミリという精緻さだ。
一方、京浜工業地帯の人工島・扇島にある東京ガスのLNG(液化天然ガス)タンク「扇島4号」は、容量25万キロリットルと世界最大で、10万世帯が消費するガスの3年分に相当する。稼働したために今はもう見ることができないその内部は、気密性を確保するためにステンレス製のメンブレン(膜)が張り巡らされ、光輝く王宮のようだ。