「メガ! 巨大技術の現場へ、ゴー」成毛眞著

公開日: 更新日:

 兵庫県にある独立行政法人理化学研究所の放射光科学総合研究センターが所有するX線自由電子レーザーの施設「SACLA」は、いわば顕微鏡なのだが、その長さは700メートルもある。

 その他、出版社と書店を取り次ぎ、1日200万冊を扱う日本出版販売株式会社(日販)の巨大システムや、東海道・山陽・九州新幹線の運行をつかさどり、巨大なシステムと緻密な制御が同居する「新幹線総合指令所」、海底1万メートルまで掘れる掘削機械を備えた地球深部探査船「ちきゅう」、福島県いわき市から20キロの沖合に設置された世界初の「洋上浮体式」風力発電システム、そしてあのCERN(欧州原子核研究機構)の全周約27キロの加速器「LHC」まで。国内外のさまざまな巨大技術の現場を紹介する。

 大きさは、ただそれだけで見る者に例えようのない爽快感をもたらしてくれる。さらにどの現場も圧倒されるほどの巨大さを誇りながら、細部は驚くほどに緻密であり、それがまた誰もが心に密かに持つ「オタク心」をくすぐる。

 著者は、けた違いの存在があることを実感しておくことが大事だという。それが「人間関係やビジネスにおける視野の広さの重要性を思い知らせてくれる」からだ。

最新のBOOKS記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    ロッテ佐々木朗希は母親と一緒に「米国に行かせろ」の一点張り…繰り広げられる泥沼交渉劇

  2. 2

    米挑戦表明の日本ハム上沢直之がやらかした「痛恨過ぎる悪手」…メジャースカウトが指摘

  3. 3

    陰で糸引く「黒幕」に佐々木朗希が壊される…育成段階でのメジャー挑戦が招く破滅的結末

  4. 4

    9000人をリストラする日産自動車を“買収”するのは三菱商事か、ホンダなのか?

  5. 5

    巨人「FA3人取り」の痛すぎる人的代償…小林誠司はプロテクト漏れ濃厚、秋広優人は当落線上か

  1. 6

    斎藤元彦氏がまさかの“出戻り”知事復帰…兵庫県職員は「さらなるモンスター化」に戦々恐々

  2. 7

    「結婚願望」語りは予防線?それとも…Snow Man目黒蓮ファンがざわつく「犬」と「1年後」

  3. 8

    石破首相「集合写真」欠席に続き会議でも非礼…スマホいじり、座ったまま他国首脳と挨拶…《相手もカチンとくるで》とSNS

  4. 9

    W杯本番で「背番号10」を着ける森保J戦士は誰?久保建英、堂安律、南野拓実らで競争激化必至

  5. 10

    家族も困惑…阪神ドラ1大山悠輔を襲った“金本血縁”騒動