草食男子は正しい“自分がスルーされない戦略”
■「99.996%はスルー」竹内薫/丸山篤史著
情報が洪水のように氾濫している。よく言われる話だが、本書によると、その増加ペースが半端でない。99年から2000年にかけての1年間の情報量は、有史以来99年までの情報量に等しいという。それどころか、その後も10年に600倍のペースで情報が増え続けているというのだ。
それだけ情報量が膨大になると、とても消化できないから、人は無意識に情報をスルーし、無意識が処理した情報の大部分をこれまた意識的にスルーしている。この事実は我々に深刻な事態をもたらす。情報発信しようと思っても、スルーされてしまう確率が高まるからだ。この本にはスルーされないためのヒントが、たくさん盛り込まれている。
人はなぜスルーされたくないのか。それは、「他人に認められたい」という承認欲求があるからだと著者は言う。しかし、人は同時に、他人をコントロールしたいというコントロール欲求を持っている。恋愛で言うと、承認欲求はマゾヒズム(被支配欲求)であり、コントロール欲求はサディズム(支配欲求)だ。著者は、スルーが常態化するなかで承認欲求を満たそうとしたら、強烈なコントロール欲求を出さない工夫が必要だと言う。