「口の中をみれば寿命がわかる」波多野尚樹著
アメリカで、寿命を左右する要因として生活習慣と並んで重要といわれるのが「口腔内細菌」だ。
特に歯周病菌の研究が進んでいて、その悪影響は歯だけにとどまらず、心疾患、細菌性肺炎、高脂血症などの原因にもなることが明らかになっている。
口腔内細菌を増やす原因はさまざまあるが、特に注意したいのが喫煙習慣だ。
たばこを吸うと口腔内の毛細血管が収縮して血流が低下する。
すると、血液によって運ばれる白血球などの免疫細胞が口腔内で少なくなる。しかも、血流が低下すると洗浄効果のある唾液の分泌量も減少するため、口腔内細菌は爆発的に増殖するという。
超高齢化社会の日本でも、生活習慣とともに口腔内環境改善にも取り組む必要がありそうだ。(小学館 1200円+税)