「その症状、もしかして薬のせい?」長尾和宏著
39兆円にも膨れ上がった日本の国民総医療費のうち、5分の1を占めているのが薬の費用。すべての薬が患者の役に立っているならいいが、必要ない薬や、逆に体調を悪くするような薬を服用させられているケースもあるという。
ごく一般的に用いられる総合感冒薬に、「PL顆粒」という薬がある。この薬には尿を出にくくする副作用があり、若者や女性は比較的問題が少ないものの、前立腺肥大のある男性の場合、膀胱の出口が開かない「尿閉」という状態に陥ることがある。尿道からカテーテルを挿入する処置が必要になるほどで、中高年以降の男性はむやみに服用するのは避けた方がいいのだという。
アスピリンやビタミンC、抗認知症薬など、本当に服用すべき薬なのかを検証していく。
(セブン&アイ出版 1100円)