「日本郵政」井手秀樹著
日本郵政グループは従業員約22万人、経常利益約1兆1000億円の巨大企業である。事業内容を見ると、ゆうパックは宅配便と熾烈な争いを繰り広げているが、「信書」を配達できる〈一般信書便事業〉に参入する事業者はなく、この分野では現在、独占状態である。
また、ゆうちょ銀行は貸出業務を始めるために住宅ローンの認可申請をしているし、東京駅丸の内口前にあった東京中央郵便局を商業施設〈KITTE〉に変身させたように、郵便局が駅前の一等地に持っていた土地を生かした不動産事業も展開している。
今秋に上場する日本郵政を、経済学者が企業分析する。(東洋経済新報社 1600円+税)