「大奥の座敷童子」堀川アサコ著

公開日: 更新日:

 主人公は、野笛藩城下一の美人に選ばれた14歳の今井一期(いまい・いちご)。財政難の野笛藩から「大奥に居る座敷童子を見つけてこい」という命を受けて、お志賀の方のお世話係として大奥に入り込んだ。何でも50年前に野笛にいた座敷童子が、大奥に上がった女と一緒に江戸に行ってしまったのが藩の財政難の原因なので、見つけ出せば万事解決するというお告げが御用達の霊能者からあったというのだ。

 あまりのおかしな命に首をかしげつつも大奥で暮らすことになった一期は、そこで御年寄の嵐山、御次の茜、伊賀者の唐次などの個性豊かな面々や摩訶不思議な妖怪たちに出会う。果たして、一期は座敷童子を見つけることができるのか……。

「闇鏡」で第18回日本ファンタジーノベル大賞優秀賞を受賞して以来、「幻想郵便局」「月夜彦」などのファンタジーノベルで定評のある著者の最新作。

 明るく前向きな主人公が時代物としては異色の軽快なタッチで描かれている。

(講談社 1500円+税)


【連載】週末に読みたいこの1冊

最新のBOOKS記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    「たばこ吸ってもいいですか」…新規大会主催者・前澤友作氏に問い合わせて一喝された国内男子ツアーの時代錯誤

  2. 2

    インドの高校生3人組が電気不要の冷蔵庫を発明! 世界的な環境賞受賞の快挙

  3. 3

    中森明菜が16年ぶりライブ復活! “昭和最高の歌姫”がSNSに飛び交う「別人説」を一蹴する日

  4. 4

    永野芽郁「二股不倫」報道で…《江頭で泣いてたとか怖すぎ》の声噴出 以前紹介された趣味はハーレーなどワイルド系

  5. 5

    永野芽郁“二股不倫”疑惑「母親」を理由に苦しい釈明…田中圭とベッタリ写真で清純派路線に限界

  1. 6

    田中圭“まさかの二股"永野芽郁の裏切りにショック?…「第2の東出昌大」で払う不倫のツケ

  2. 7

    永野芽郁“二股肉食不倫”の代償は20億円…田中圭を転がすオヤジキラーぶりにスポンサーの反応は?

  3. 8

    雑念だらけだった初の甲子園 星稜・松井秀喜の弾丸ライナー弾にPLナインは絶句した

  4. 9

    「キリンビール晴れ風」1ケースを10人にプレゼント

  5. 10

    オリックス 勝てば勝つほど中嶋聡前監督の株上昇…主力が次々離脱しても首位独走