「視線」永嶋恵美著
劇団員の夏帆は、生計のために住宅地図の調査員として働いていた。
ある日、小学生のときに住んでいた四ッ坂町を担当することになった夏帆は、調査中に元同級生の聡美と再会。仕事後、聡美の家を訪ねることになった。その途中で通り魔の被害に遭う。
翌朝、夏帆は、現場の近くで他殺体が見つかったことを刑事の知加子から教えられる。被害者の平須昌子の名に覚えがない。だが、昌子は夏帆らの劇団が使っている運送会社の事務員で、ある新興宗教の信者だと分かる。夏帆の元恋人・内原と接点もあった。自分が疑われていることに気づいた夏帆は不快感が募る。
住宅地に潜む悪意を描く長編ミステリー。(光文社 700円+税)