「森は知っている」吉田修一著
沖縄・南蘭島で知子ばあさんと暮らす高校生の鷹野一彦。彼は幼い頃、母親に監禁されて、餓死寸前で救い出されたという過去をもつ。鷹野を引き取ったAN通信は彼の過去を消し、ひそかに産業スパイとして教育していた。ある日、フランスに連れ出された鷹野はパリのクラブでサラという女と知り合う。彼女はAN通信が狙う水メジャー企業〈V.O.エキュ〉の香港支社長の娘だった。そんな中、鷹野と同じ境遇の高校生、柳が突然、姿を消す。「来年の2月24日、お前はソウルにいるはずだ。俺は必ず会いに行く」という手紙を残して……。
「太陽は動かない」の主人公の過去を描くシリーズ作第2弾。
(幻冬舎 1500円+税)