サイバー空間での諜報活動が激化

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「非情世界 恐るべき情報戦争の裏側」朝日新聞取材班著

 アメリカを代表とする自由主義圏と、旧ソ連が率いた共産圏による冷戦が終結して、はや四半世紀。しかし、当時よりも徹底的に行われているのが「インテリジェンス(諜報活動、情報分析活動)」だ。しかもそれは、発達したインターネットによって非常に高度に、巧妙になっている。

 朝日新聞取材班著「非情世界 恐るべき情報戦争の裏側」(朝日新聞出版 1400円+税)は、国家間で極秘に展開されるインテリジェンスの実態に光をあてた渾身のリポートだ。

 アメリカがサイバー空間でのインテリジェンスを活発化させる契機となったのが、2001年の“9.11”。同時多発テロの以前、実はアメリカ国家安全保障局(NSA)はアメリカ国内にいた実行グループの存在を把握していたという。しかし、冷戦終結以降はNSAの人員も予算も削減されており、国内のテロリスト活動を取り締まるFBIとの情報共有が後手に回ってしまった。

 9.11以降、NSAは職員を数千人増員。年間予算も100億ドル規模に拡大し、インテリジェンス体制を強化している。ここから確立されたのが、2年前にNSA元職員のエドワード・スノーデンが暴露した、全世界の通信データを吸い上げるシステムだ。

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