39カ国の家庭料理を自宅で再現。居ながらにして“食”の世界旅行

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 食文化を知ると、その土地の歴史や風俗も見えてくるもの。インターネットで膨大なデータを調べるよりも、名物料理を一品食べる方がその土地を身近に感じることができるだろう。

 ミーナ・ホランド著、清水由貴子訳「食べる世界地図」(エクスナレッジ 2200円+税)では、世界の食習慣を研究しているフードライターの著者が、39の国と地域の料理を文化的背景も交えながら紹介。その土地ならではの家庭料理のレシピも掲載している。

 世界3大料理のひとつであるフランス料理にも、素朴なものがいくつもある。例えばフランス南東部の片隅にあるローヌ・アルプは、プロバンスやブルゴーニュに囲まれ、実にさまざまな食材が集まる地域。人々はAOC(特定地域製品を保護するための政府による認証)に認定された地元食材に誇りを持ち、特に高級食材であるブレス鶏は多くのシェフに愛されている。

 とはいえ、家庭料理でこのような高級食材が使われているわけではない。ローヌ・アルプの味を体験したいなら、サボワ風グラタンがおすすめだ。ニンニクとバターを塗りつけた耐熱皿にスライスしたジャガイモを重ね、チキンブイヨンを流し込んだらグリュイエールチーズとナツメグをのせてオーブンで焼き上げる。ロースト料理やサラダとの相性がいいという。

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