「ドイツ映画零年」渋谷哲也著

公開日: 更新日:

「民族の祭典」「美の祭典」(オリンピア)を作った映画監督、レニ・リーフェンシュタールは連合国の審理でナチ体制の〈同伴者〉と位置付けられて戦犯とは認められなかった。だが、彼女の映画はナチスのプロパガンダとみられ、批判にさらされてきた。

 彼女は頑としてそれを認めないが、それはプロパガンダと認めたら、その作品がナチ党に属するものになり、自分の著作権が失われるからだったのではないかと著者は見る。

 他に、「怪人マブゼ博士」を作ったフリッツ・ラング、戦後の混乱の中を生きる人々を描いた「マリア・ブラウンの結婚」を作ったファスビンダーなどを論じた、ドイツ映画ファンにオススメの一冊。(共和国 2700円+税)



【連載】今日の新刊

最新のBOOKS記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    フジテレビ系の冬ドラマ「警察もの」2本はありえないお話しすぎてズッコケの連続

  2. 2

    バド渡辺勇大は代表辞退、英の五輪メダリストもアダルトサイトで副収入…世界で共通するアスリートの金銭苦

  3. 3

    元女子アナ青木歌音がTKO木下と「ホテルに連行」事件を巡り対立も…もう一人の"性加害"芸人もヒント拡散で戦々恐々

  4. 4

    旧統一教会信者が都議選に大量出馬情報…自民党に捨てられ、解散命令カウントダウンで断末魔

  5. 5

    「コネ入社は?」にタジタジ…10時間半会見で注目浴びた遠藤龍之介フジ副会長が、社長時代の発言を掘り返される

  1. 6

    TKO木下隆行"元女子アナに性奉仕強制疑惑"で絶体絶命…釈明動画も"ウソつきイメージ"がアダに…

  2. 7

    キムタクがガーシーの“アテンド美女”に手を付けなかったワケ…犬の散歩が日課で不倫とは無縁の日々

  3. 8

    今年のロッテは期待大!“自己チュー” 佐々木朗希が去って《ようやくチームがひとつに》の声

  4. 9

    SNSで話題「コンクリートの建物は造れなくなる」が現実に? コスト大幅増で相見積もりにNO

  5. 10

    生島ヒロシが“一発アウト”なら「パーソナリティー一斉退場」の声も…“不適切画像”送信降板とTBSラジオの現状