大量絶滅カウントダウン特集!

公開日: 更新日:

「人類が変えた地球」ガイア・ヴィンス著、小坂恵理訳

 人類が地球を丸ごと作り替える牽引車となった今の時代を、オゾンホール研究者のパウル・クルッツェンはアントロポセン(人新世)と名付けた。著者は、そんなアントロポセンの時代の人々のさまざまな試みを知るため、大気、山、川、農地、海、砂漠、サバンナ、森、岩、都市などの場所ごとの課題を軸に地球を旅して回った。

 例えば水の供給がなくなり生活用水に困る村では人工氷河を作るなどの工夫がされている。サンゴ消滅の問題では、巨大な天蓋を作って水温上昇を防ぎ、微生物で人工サンゴ礁を作る事例や、海の酸性度を下げるために重炭酸塩や石灰を加える方法など、人々の多様な試みがあった。

 エピローグでは、今後どんな世界を創造していけるのかを、2100年10月のロンドンという設定で未来予想図を描いてみせる。絶望しかねない状況の中でも希望を失わず挑戦し続ける人々の奮闘を信じてやまない著者の姿勢が伝わってくる。

(化学同人 3600円+税)

最新のBOOKS記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    ロッテ佐々木朗希は母親と一緒に「米国に行かせろ」の一点張り…繰り広げられる泥沼交渉劇

  2. 2

    米挑戦表明の日本ハム上沢直之がやらかした「痛恨過ぎる悪手」…メジャースカウトが指摘

  3. 3

    陰で糸引く「黒幕」に佐々木朗希が壊される…育成段階でのメジャー挑戦が招く破滅的結末

  4. 4

    9000人をリストラする日産自動車を“買収”するのは三菱商事か、ホンダなのか?

  5. 5

    巨人「FA3人取り」の痛すぎる人的代償…小林誠司はプロテクト漏れ濃厚、秋広優人は当落線上か

  1. 6

    斎藤元彦氏がまさかの“出戻り”知事復帰…兵庫県職員は「さらなるモンスター化」に戦々恐々

  2. 7

    「結婚願望」語りは予防線?それとも…Snow Man目黒蓮ファンがざわつく「犬」と「1年後」

  3. 8

    石破首相「集合写真」欠席に続き会議でも非礼…スマホいじり、座ったまま他国首脳と挨拶…《相手もカチンとくるで》とSNS

  4. 9

    W杯本番で「背番号10」を着ける森保J戦士は誰?久保建英、堂安律、南野拓実らで競争激化必至

  5. 10

    家族も困惑…阪神ドラ1大山悠輔を襲った“金本血縁”騒動