「アリババ 中国eコマース覇者の世界戦略」ポーター・エリスマン著、黒輪篤嗣訳
中国の巨大企業アリババの内幕を描く企業ノンフィクション。
著者は、創業間もない2000年から8年間、グループ初のアメリカ人社員として同社に勤務し、副社長まで務めた。元教師の創業者ジャック・マー会長は、杭州市の自宅マンションを拠点に世界の中小企業をつなぐ市場の創出を目指し起業。
「この人は世界をあっと驚かせることをしてくれそうだ」と直感した初対面の印象から、彼の片腕として過ごしてきた日々を回顧。社員のSARS感染で、本社全員が自宅隔離される中でのウェブサイトの運営続行や、大手イーベイの中国進出を阻止するために立ち上げた「タオバオ」など。同社発展の軌跡を克明に描くとともに、身近に接したマー会長の経営哲学や素顔なども紹介。(新潮社 1600円+税)