「『30万人都市』が日本を救う!」田中秀臣編
日本経済復活の処方箋を論じた鼎談集。
日本経済の現状は、国内的には消費税増税による経済失速という「国内不均衡」、国外では中国のバブル崩壊など国際経済縮小の危機という「国際不均衡」の状態に直面していると総括。このような経済不安定化の中で、日本経済が復活するためにデフレ脱却と連動する形で地方経済の再構築が不可欠であると論者らは指摘する。安倍政権が掲げる「地方創生」や財政出動は、旧来型の公共事業依存、あるいはばらまき政策への回帰にすぎないのではないかと批判。その上で、東京から地方郡部へ、ではなく、東京と地方郡部から中核市・政令市へ人口を分散する「30万人都市の創生」のために資本とインフラを集中すべきと提言する。(藤原書店 1600円+税)