たしかに農業と出版業はよく似ている
出版不況という用語が業界に定着して久しくなる。作家、出版社、取次会社、書店の意識改革が強く求められている。金丸氏は、〈現在、書店は毎日一店舗以上がなくなっている。一九九九年には二万二二九六店だったものが、二〇一四年には一万三九四三店となっている。〉と指摘する。
現実から目を背けてはならない。書店数が減少するとともに書籍マーケットも縮小していく。もっとも、それだからといって、書籍がまったく存在しない世の中にはならない。それだから、作家という職業がなくなることもない。しかし、作家も身を切るような改革に取り組まなくてはならない。現在、大出版社は、刷り部数に基づいて著者に印税を支払っているが、これを一部の中小・零細出版社が行っているように売り上げ部数印税に切り替え、売れずに断裁される本の数を減らす必要がある。★★★(選者・佐藤優)