「名著の読書術」樋口裕一氏

公開日: 更新日:

ネタバレでも、飛ばし読みでもいいんです。読み方に正解はありません

 予備校で小論文を指導し、学習参考書が100冊以上という「小論文の神様」が、読書術の本を出した。

「実はこの本は、自分より年上の中高年の方たちを思い浮かべながら書いたんです。今まで時間がなくて読めなかった名著の長編を味わってほしいんです。文庫本が1冊あれば、ひとりで、いつでも、どこでも楽しめる。道具も機械もいりません。しかも、繰り返し、何度も味わえるんですよ」

 太宰治の「人間失格」も、夏目漱石の「こころ」も、ドストエフスキーの「罪と罰」も、かじってはみたものの、読破できなかった人は多いだろう。そんな人にピッタリの読書法がこれ。

「まず、ネタバレで読むのはフェアじゃないという罪悪感を捨てましょう。あらすじ本、簡易版、本の巻末にある解説、映画などでストーリーを把握してから読めばいいんです。『難解だ』というネガティブな印象が薄まれば、名著へのハードルがグッと下がりますよ」

 つまり、予習である。「人間失格」は、「地方の名家のお坊ちゃんが東京で退廃的な生活を送り、最後は廃人になった」話と要約できる。

最新のBOOKS記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    ロッテ佐々木朗希は母親と一緒に「米国に行かせろ」の一点張り…繰り広げられる泥沼交渉劇

  2. 2

    米挑戦表明の日本ハム上沢直之がやらかした「痛恨過ぎる悪手」…メジャースカウトが指摘

  3. 3

    陰で糸引く「黒幕」に佐々木朗希が壊される…育成段階でのメジャー挑戦が招く破滅的結末

  4. 4

    9000人をリストラする日産自動車を“買収”するのは三菱商事か、ホンダなのか?

  5. 5

    巨人「FA3人取り」の痛すぎる人的代償…小林誠司はプロテクト漏れ濃厚、秋広優人は当落線上か

  1. 6

    斎藤元彦氏がまさかの“出戻り”知事復帰…兵庫県職員は「さらなるモンスター化」に戦々恐々

  2. 7

    「結婚願望」語りは予防線?それとも…Snow Man目黒蓮ファンがざわつく「犬」と「1年後」

  3. 8

    石破首相「集合写真」欠席に続き会議でも非礼…スマホいじり、座ったまま他国首脳と挨拶…《相手もカチンとくるで》とSNS

  4. 9

    W杯本番で「背番号10」を着ける森保J戦士は誰?久保建英、堂安律、南野拓実らで競争激化必至

  5. 10

    家族も困惑…阪神ドラ1大山悠輔を襲った“金本血縁”騒動