「大地の五億年」藤井一至著

公開日: 更新日:

 土と生物の5億年にも及ぶ歩みを追ったサイエンス・ノンフィクション。

 土は植物が存在する地球のみにある。5億年前、藻類を先祖に持つコケが長い進化の末に陸に上がることに成功。コケと、カビと藻類が合体した地衣類は岩石にへばりつき、栄養分を吸収するため酸性物質を出して溶かす。その溶かされた栄養分が残存し、砂や粘土に。コケや地衣類の遺骸と共にまじりあったものが地球に最初に現れた土だという。カナダにはこの地球最初の土を観察できる場所があるという。

 生き物を育み、同時に生き物が育んできた土は、多くの生き物たちの痕跡が眠る墓標でもある。土をめぐる生き物たちの攻防を解説しながら、温暖化や砂漠化など、土を取り巻く現代の問題にまで目を向ける。(山と溪谷社 900円+税)


最新のBOOKS記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    「とんねるず」石橋貴明に“セクハラ”発覚の裏で…相方の木梨憲武からの壮絶“パワハラ”を後輩芸人が暴露

  2. 2

    今思えばゾッとする。僕は下調べせずPL学園に入学し、激しく後悔…寮生活は想像を絶した

  3. 3

    参院選で自民が目論む「石原伸晃外し」…東京選挙区の“目玉候補”に菊川怜、NPO女性代表の名前

  4. 4

    NiziU再始動の最大戦略は「ビジュ変」…大幅バージョンアップの“逆輸入”和製K-POPで韓国ブレークなるか?

  5. 5

    フジテレビ問題「有力な番組出演者」の石橋貴明が実名報道されて「U氏」は伏せたままの不条理

  1. 6

    サザン桑田佳祐の食道がん闘病秘話と今も語り継がれる「いとしのユウコ」伝説

  2. 7

    我が専大松戸の新1年生は「面白い素材」がゴロゴロ、チームの停滞ムードに光明が差した

  3. 8

    逆風フジテレビゆえ小泉今日子「続・続・最後から二番目の恋」に集まる期待…厳しい船出か、3度目のブームか

  4. 9

    新沼謙治さんが語り尽くした「鳩」へのこだわり「夢は広々とした土地で飼って暮らすこと」

  5. 10

    石橋貴明のセクハラ疑惑は「夕やけニャンニャン」時代からの筋金入り!中居正広氏との「フジ類似事案」