変わりダネ芸術本特集

公開日: 更新日:

「図像学入門」山本陽子著

 美術館に行っても展示された日本美術に美しさを感じたり、感動できない人もいる。でも、本書の著者はそれでも美術が分からないということではないという。なぜなら、それらはそもそも美術作品として作られたわけではなく、仏像なら仏の姿を、絵画ならば物語や景色を伝えるのが本来の目的だったからだ。本書は、作品が本来どういう意味だったのかを読み解く「図像学」という視点から、日本美術の新しい楽しみ方を解説した美術テキスト。

 光源氏も紫の上も福笑いのおかめにしか見えない「源氏物語絵巻」など、名作を俎上に、素朴な疑問に答えながら、それぞれの生まれた背景から作品を鑑賞する。美術館が退屈に感じられる人には格好の案内書だ。(勉誠出版 1800円+税)

【連載】ザッツエンターテインメント

最新のBOOKS記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    初V京都国際の《正体》と《左腕王国の秘密》…野球部“以外”の男子生徒わずか12人

  2. 2

    《古いタイプの指導者》はア然ボー然…大谷の恩師による「甲子園塾」講義の中身

  3. 3

    悠仁さま「進学に向けた勉学の大切な時期」でも続く秋篠宮家と宮内庁の軋轢

  4. 4

    「Snow Man=めめ以外は演技下手」定着のリスク…旧ジャニのマルチ売りに見えてきた限界

  5. 5

    山陰まで及ぶ大阪桐蔭・西谷監督のスカウト活動範囲…《最新車で乗り付けてきた》の声も

  1. 6

    目黒蓮をCMに再起用したコーセーにSnow Manファン大暴走 佐久間大介も別問題でファンに苦言

  2. 7

    吉永小百合(10)「15歳年上のバツイチと、よく一緒になりましたね」会員限定記事

  3. 8

    ドジャースの“朗希タンパリング疑惑”で大迷惑!米29球団&日本プロ球団こぞって怒り心頭の納得理由

  4. 9

    麻生太郎「3頭体制」崩壊でいきなり窮地…自民党総裁選でキングメーカーとしても機能せず

  5. 10

    元プロが関わる「チンピラまがい」の関西ボーイズチーム出身者にスカウト要警戒《教育できそうにない》