「おだやかに、シンプルに生きる」枡野俊明著
禅僧であり、庭園デザイナーとしても知られる著者が、禅語を紹介しながら、穏やかな心を保ち、心安らかに生きるヒントを説いた生き方エッセー。
例えば「非思量(ひしりょう)」。座禅を組むときには何も考えてはいけないというが、修行を積んだ禅僧でもなかなか無の状態にはなれないという。大切なのは、頭に浮かぶ考えや感情にとらわれないこと。もう考えるのはやめようと自身に言い聞かせ、できる限り「考えない」という方向に頭を持っていくのが「非思量」の教えだそうだ。
こうしたシンプルに生きるための方法をはじめ、「悟無好悪(さとればこうおなし)」などを例に説く人付き合いの心得から仕事との向き合い方まで。51の禅語が豊かな人生へと導く。(PHP研究所 620円+税)