「フードバンクという挑戦」大原悦子著
フードバンクとは、まだ食べられるのに「売り物にならないから」と捨てられていた食品を寄付してもらい、食べ物に困っている人に無料で届ける活動を行う団体や、システムのこと。米国で40年以上前に始まり、日本でも広まりつつあるこの取り組みの歴史や現状、課題を伝えるリポート。
パッケージに記された原材料の表示順序が誤っていただけで店頭から回収された10万個のシューマイなど、日本の食品ロスは年間600万トンを超える。
そうした食品ロスが生まれる背景から、日本でフードバンクが始まった経緯、そして活動を担うNPO法人が抱える問題や企業側の新たな動きなど。現場を取材しながら、社会を変えていくための方途を考える。(岩波書店 860円+税)