「真実の檻」下村敦史著

公開日: 更新日:

 母の遺品を整理していた大学生の洋平は、天井裏に隠してあった手紙を読み、自分の本当の父親が赤嶺という男だと知る。育ててくれた父に確認すると、赤嶺の存在を承知で身重の母と結婚したらしい。洋平は父から赤嶺は交通事故で死んだと聞かされる。しかし、ネットで事故のことを調べると「赤嶺事件」がヒット。事件の概要を読んだ洋平は、検察官だった赤嶺が結婚を反対した母の両親、つまり洋平の祖父母を惨殺した死刑囚だと知る。死刑は執行されておらず、赤嶺はまだ生きていた。何も手につかず、ネットの情報をさまよう洋平は、赤嶺事件は冤罪の可能性があると記した雑誌の記事にたどりつく。

 乱歩賞作家が冤罪をテーマに描いたミステリー。(KADOKAWA 1600円+税)


【連載】BOOKレビュー

最新のBOOKS記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    ロッテ佐々木朗希は母親と一緒に「米国に行かせろ」の一点張り…繰り広げられる泥沼交渉劇

  2. 2

    米挑戦表明の日本ハム上沢直之がやらかした「痛恨過ぎる悪手」…メジャースカウトが指摘

  3. 3

    陰で糸引く「黒幕」に佐々木朗希が壊される…育成段階でのメジャー挑戦が招く破滅的結末

  4. 4

    9000人をリストラする日産自動車を“買収”するのは三菱商事か、ホンダなのか?

  5. 5

    巨人「FA3人取り」の痛すぎる人的代償…小林誠司はプロテクト漏れ濃厚、秋広優人は当落線上か

  1. 6

    斎藤元彦氏がまさかの“出戻り”知事復帰…兵庫県職員は「さらなるモンスター化」に戦々恐々

  2. 7

    「結婚願望」語りは予防線?それとも…Snow Man目黒蓮ファンがざわつく「犬」と「1年後」

  3. 8

    石破首相「集合写真」欠席に続き会議でも非礼…スマホいじり、座ったまま他国首脳と挨拶…《相手もカチンとくるで》とSNS

  4. 9

    W杯本番で「背番号10」を着ける森保J戦士は誰?久保建英、堂安律、南野拓実らで競争激化必至

  5. 10

    家族も困惑…阪神ドラ1大山悠輔を襲った“金本血縁”騒動