「『マイナンバー』が日本を壊す」斎藤貴男著
運用が始まったマイナンバー制度の問題点を指摘した警世の書。
マイナンバーは、そもそも「消えた年金」問題をきっかけに、「社会保障と税の共通番号制度」として導入の検討が始まったのだが、それがいつしか「国民総背番号制度」への展開を視野に、十分な審議もされぬまま法案が可決してしまった。政権はグローバルスタンダードだというが、多くの先進諸国では、導入する予定も、またやりかけた国々でも見直す方向に進んでいるという。なぜなら、なりすましの横行や個人情報の流出などの被害が懸念されるからだ。
なぜ日本はこうまで強引に制度を導入したのか。その背景と導入の経緯を検証する一方、制度の導入による監視社会の到来に警鐘を鳴らす。(集英社インターナショナル 1100円+税)