「TAP」G・イーガン著、山岸真編訳
大学教員のクレアに、国家安全保障局時代の元上司から〈銀炎〉患者の分布に変則が見つかったと連絡が入る。銀炎ウイルスの起源はいまだに不明で、感染者の9割が3日以内に死んでしまう。
ノースカロライナ州グリーンズボロ周辺の感染経路地図は、感染力を持ちながら本人は無症候の人間が存在する可能性を示していた。現地に飛んだクレアは、患者が感染前に新しい小共同体運動のひとつ「ヘロドトス村」のイベントに参加していたことを突き止め、村に向かう。(「銀炎」)
究極の言語表現を可能にする「TAPインプラント」を脳に埋め込んだ詩人の死の真相を探る探偵を主人公にした表題作のほか、世界最高峰のSF作家と称される著者の傑作集。(河出書房新社 900円+税)