「たまちゃんのおつかい便」森沢明夫著

公開日: 更新日:

 2年前から大学進学のために都会暮らしをしていた「たまちゃん」こと、葉山珠美は、意味を見いだすことができなくなった大学生活に見切りをつけて故郷に戻ってきた。足腰が弱り、車にも乗れない故郷のお年寄りが買い物に困っていることを知り、買い物弱者を救うべく移動販売という商売を起業しようと思い立ったのだ。

 力になってくれたのは、地元に残って父親の自動車整備の仕事を継いでいた同級生の常田壮介と、一度都会に働きに出たものの戻ってきて引きこもり生活をしていた松山真紀。真紀が車のデザインやチラシなどを作り、壮介が真紀のデザイン通りに車を仕上げ、いよいよ「たまちゃんのおつかい便」がスタートしたのだが……。

「ライアの祈り」や「夏美のホタル」など、数多くの映画化作品を持つ著者による最新作。祖母やお年寄りに喜ばれたい一心で移動販売業を始めた若き女性の挑戦と、彼女を応援する友人や家族との人間模様を温かく描いている。(実業之日本社 1600円+税)

【連載】週末に読みたいこの1冊

最新のBOOKS記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    「たばこ吸ってもいいですか」…新規大会主催者・前澤友作氏に問い合わせて一喝された国内男子ツアーの時代錯誤

  2. 2

    周囲にバカにされても…アンガールズ山根が無理にテレビに出たがらない理由

  3. 3

    インドの高校生3人組が電気不要の冷蔵庫を発明! 世界的な環境賞受賞の快挙

  4. 4

    田中圭が『悪者』で永野芽郁“二股不倫”騒動はおしまいか? 家族を裏切った重い代償

  5. 5

    中森明菜が16年ぶりライブ復活! “昭和最高の歌姫”がSNSに飛び交う「別人説」を一蹴する日

  1. 6

    永野芽郁「二股不倫報道」の波紋…ベッキー&唐田えりかと同じ道をたどってしまうのか?

  2. 7

    レベル、人気の低下著しい国内男子ツアーの情けなさ…注目の前澤杯で女子プロの引き立て役に

  3. 8

    芳根京子《昭和新婚ラブコメ》はトップクラスの高評価!「話題性」「考察」なしの“スローなドラマ”が人気の背景

  4. 9

    永野芽郁“二股不倫”疑惑「母親」を理由に苦しい釈明…田中圭とベッタリ写真で清純派路線に限界

  5. 10

    大阪万博会場は緊急避難時にパニック必至! 致命的デザイン欠陥で露呈した危機管理の脆弱さ