「戦後政治を終わらせる永続敗戦の、その先へ」白井聡著

公開日: 更新日:

 安倍首相の政策理念である「戦後レジームからの脱却」。確かに戦後レジームはズタボロであり、スローガンとしては正しい。しかし、首相とその一派は結局のところ戦後レジームとは何であるのかという、その本質を理解しておらず、結果、「戦後レジームの死守」としか呼べない政策が強行されていると著者は指摘する。

 戦後レジームの根幹は、敗戦と東西冷戦によってもたらされた「対米従属」と著者は定義。米国に依存している国は他にも多くあるが、問題は日本の対米従属の特殊性にあるという。占領下から戦後レジームの多くの期間を占めた55年体制、そして現在まで日本政治の70年を総括。

 ポスト55年体制への道筋を示した政治テキスト。(NHK出版 820円+税)


最新のBOOKS記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    高嶋ちさ子「暗号資産広告塔」報道ではがれ始めた”セレブ2世タレント”のメッキ

  2. 2

    大友康平「HOUND DOG」45周年ライブで観客からヤジ! 同い年の仲良しサザン桑田佳祐と比較されがちなワケ

  3. 3

    佐々木朗希の足を引っ張りかねない捕手問題…正妻スミスにはメジャー「ワーストクラス」の数字ずらり

  4. 4

    大阪万博開幕まで2週間、パビリオン未完成で“見切り発車”へ…現場作業員が「絶対間に合わない」と断言

  5. 5

    マイナ保険証「期限切れ」迫る1580万件…不親切な「電子証明書5年更新」で資格無効多発の恐れ

  1. 6

    阪神・西勇輝いよいよ崖っぷち…ベテランの矜持すら見せられず大炎上に藤川監督は強権発動

  2. 7

    歌手・中孝介が銭湯で「やった」こと…不同意性行容疑で現行犯逮捕

  3. 8

    Mrs.GREEN APPLEのアイドル化が止まらない…熱愛報道と俳優業加速で新旧ファンが対立も

  4. 9

    「夢の超特急」計画の裏で住民困惑…愛知県春日井市で田んぼ・池・井戸が突然枯れた!

  5. 10

    早実初等部が慶応幼稚舎に太刀打ちできない「伝統」以外の決定的な差