「卑怯者の流儀」深町秋生著
「女を捜して欲しいんです」と、警視庁組対四課の刑事、米沢英利はヤクザの若頭補佐の浦辺に頼まれ、文庫本1冊分の厚さの封筒を受け取った。浦辺が経営する韓国人クラブのホステスだが、どうやら浦辺はその女に惚れているらしい。
パスポートを押さえてあるのに、女が姿を消した。女のマンションに行ってみると、シューボックスの扉には穴があき、キッチンにはコップのかけらが散乱している。米沢は玄関で1本の金髪を拾い上げた。
近くのコンビニの防犯カメラに金髪の男とオールバックの大男が写っていて、ライトバンで浅草橋方面に走り去った。
黒い依頼も引き受ける悪徳刑事が活躍する警察小説。(徳間書店 1700円+税)