「神様ドライブ」浜口倫太郎著
就活を諦めて休学中の藤原みのるは、親友の立木の家で立木の父の会社の冴木紡と知り合った。紡は全国の神社をめぐる旅に行かないかとみのるを誘うが、みのるは断った。中学生のとき、神主だった父がさい銭泥棒に殺されて以来、みのるは神社に行けなくなった。紡に近所の神社に強引に連れて行かれたとき、みのるは心と体が固まって動けなくなる。だが、紡に背中を押されて神域に足を踏み入れると、父とともに過ごした神社での懐かしく温かい思い出が蘇った。みのるは紡とキャンピングカーで神社めぐりの旅に出かけ、途中で看護師のほのかも加わって、3人旅が続く。
心に傷を負った3人が癒やされていくロードノベル。(講談社 1500円+税)