“いい香り”で化学物質過敏症患者が増加中!?

公開日: 更新日:

 岡田幹治著「香害」(金曜日1400円+税)では近年、私たちの身の回りに充満している香りの危険性と、これによる健康被害について紹介している。

 2012年以降、各地の消費者センターで急増しているのが、「柔軟仕上げ剤に関する相談」であるという。例えば、柔軟剤を使用して室内に洗濯物を干したところ、家族ともども咳が出るようになり、柔軟剤を使ったタオルで顔などを拭こうものなら咳が止まらない。医師の診察を受けるも原因不明と言われたという相談だ。

 あるいは、隣家の洗濯物の柔軟剤の香りがきつく、頭痛や吐き気が生じている。窓も開けられず換気扇も回せないという悩みも多い。

 これらの原因には、柔軟剤に使用されている香料による化学物質過敏症が考えられるという。一度に多量の化学物質を取り込んだり、少量でも長期にわたって取り込み続けると、その人の許容量を超えた時に体の反応として発症する。目がかすむ、咳が出る、耳鳴りがする、関節が痛む、下痢を起こす、性衝動が低下する、頭痛がするなど、症状は多様で、さまざまな器官に表れ、その分、診断も難しく長期間、適切な治療を受けられずに苦しむ患者も多いという。

 実は、香料の安全性に関する規制は世界的に甘く、香料業界の自主規制に任されているのみだと本書。日本香料工業会の加盟社は、香粧品香料原料安全性研究所(RIFM)の評価による安全基準を順守しているそうだが、RIFMの安全研究の内容は、ほとんど公開されていない。また、アメリカの消費者団体が、国際香粧品香料協会が公開している約3000の成分を調査したところ、1000以上が「懸念ある化学物質」だったことも分かっている。

 化学物質過敏症は、一度発症するとさまざまな物質に強い反応が出るようになり、やがて自然の物質にまで反応するようになる患者もいるという。即効性のある治療法はなく、身の回りからあらゆる化学物質を取り除かなければ、日常生活もままならなくなる恐ろしい疾患だ。

 本書では、代表的な商品名を挙げながら、原料の安全性チェックも行っている。あなたの家は大丈夫?

最新のBOOKS記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    フジテレビ問題でヒアリングを拒否したタレントU氏の行動…局員B氏、中居正広氏と調査報告書に頻出

  2. 2

    大谷の今季投手復帰に暗雲か…ドジャース指揮官が本音ポロリ「我々は彼がDHしかできなくてもいい球団」

  3. 3

    フジテレビ第三者委の調査報告会見で流れガラリ! 中居正広氏は今や「変態でヤバい奴」呼ばわり

  4. 4

    フジ反町理氏ハラスメントが永田町に飛び火!取締役退任も政治家の事務所回るツラの皮と魂胆

  5. 5

    下半身醜聞ラッシュの最中に山下美夢有が「不可解な国内大会欠場」 …周囲ザワつく噂の真偽

  1. 6

    “下半身醜聞”川﨑春花の「復帰戦」にスポンサーはノーサンキュー? 開幕からナゾの4大会連続欠場

  2. 7

    フジテレビ「中居正広氏に巨額賠償請求」あるか? 「守秘義務解除拒否」でウソ露呈

  3. 8

    今田美桜「あんぱん」に潜む危険な兆候…「花咲舞が黙ってない」の苦い教訓は生かされるか?

  4. 9

    Kōki,『女神降臨』大苦戦も“演技”は好評! 静香ママの戦略ミスは「女優でデビューさせなかった」こと

  5. 10

    高嶋ちさ子「暗号資産広告塔」報道ではがれ始めた”セレブ2世タレント”のメッキ