タンパク質はマッチョな土木作業員!?
「世界一やさしい!栄養素図鑑」牧野直子監修
健康のために栄養のバランスを心がけている人は多いと思うが、そもそも栄養とは何か。元気な体を維持するには、どのような栄養が必要なのか。そんな知っているようで知らなかったことを教えてくれるのが本書だ。
栄養素と聞くと、何だか退屈そうであるが、なんとそれぞれの栄養素を擬人化して、彼らが登場するコミックも添えられているため、面白く読み進めるうちに、自然と学べるという趣向だ。
やりたい放題の食生活で、イライラが募り、お肌の調子も悪い一人暮らしの乱子が、彼女の腸内にすみ着く野良猫の「町内会長(腸内快調)」の案内で、自らの体内を冒険しながら話が進む。
栄養素とは食べ物に含まれる物質のうち、体に不可欠な成分のこと。中でも、タンパク質・脂質・炭水化物(糖質)は、体の土台となり、エネルギー源にもなるため「3大栄養素」と呼ばれる。これにビタミンとミネラルを加えた5大栄養素を中心に紹介する。
例えば、体のあらゆる部分を作る材料になるタンパク質。その種類は10万種以上といわれるが、実は約20種類のアミノ酸がさまざまな形で組み合わさってできているのだとか。体に欠かせない栄養素なのだが、体の中に貯蔵庫がないため、毎日欠かさず摂取する必要がある。そんなタンパク質は、頼りがいのある「マッチョな土木作業員」として描かれる。
その他、人間が生きていくために欠かせないエネルギーを作るビタミンB群はにぎやかな8人家族、体内の水分調整を行うナトリウムと塩素はホースを持った作業員など。それぞれの働きや特徴を解説、それらが多く含まれる食品も教えてくれる。
健康や美容に欠かせない知識が身に付く一冊。恋人や奥さんにプレゼントしても喜ばれるはず。(新星出版社 1200円+税)