超私的「京都本」特集

公開日: 更新日:

「京都の風水地理学」円満字洋介著

 森羅万象を「木火土金水」の五気に配当し、これらの関係性であらゆる事象を説くのが「五行説」だ。風水はこの五行説と陰陽説などに基づき、建築や都市づくりの吉凶禍福を決めるもの。著者は阪神大震災の復興復旧に携わった修復建築家。

 碁盤の目のように美しい街・京都は、平安京の時代に風水に基づいてつくられた。当時どんな意図を込めて都をつくったのかをたどっていく。

 平安京の復元図では、二条通りを底辺に、羅生門を頂点にする南向きの正三角形が描ける。これは、大内裏にいる天皇が天を向いて万事滞りなく執り行うための祈りの装置だという。また、ギ園祭発祥の地である神泉苑は、風水と易経でひもといてみると、実は疫病の流行を防ぐ祭祀場だと推測できる。このほかにも六角堂が六角形の理由、伏見稲荷大社が商売繁盛の神様になった理由などに迫る。都の構造に秘めた為政者の思いを知ることができる一冊。(実業之日本社 800円+税)

【連載】ザッツエンターテインメント

最新のBOOKS記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    田中圭“まさかの二股"永野芽郁の裏切りにショック?…「第2の東出昌大」で払う不倫のツケ

  2. 2

    永野芽郁“二股肉食不倫”の代償は20億円…田中圭を転がすオヤジキラーぶりにスポンサーの反応は?

  3. 3

    永野芽郁「二股不倫」報道で…《江頭で泣いてたとか怖すぎ》の声噴出 以前紹介された趣味はハーレーなどワイルド系

  4. 4

    大阪万博「遠足」堺市の小・中学校8割が辞退の衝撃…無料招待でも安全への懸念広がる

  5. 5

    「クスリのアオキ」は売上高の5割がフード…新規出店に加え地場スーパーのM&Aで規模拡大

  1. 6

    のんが“改名騒動”以来11年ぶり民放ドラマ出演の背景…因縁の前事務所俳優とは共演NG懸念も

  2. 7

    「ダウンタウンDX」終了で消えゆく松本軍団…FUJIWARA藤本敏史は炎上中で"ガヤ芸人"の今後は

  3. 8

    189cmの阿部寛「キャスター」が好発進 日本も男女高身長俳優がドラマを席巻する時代に

  4. 9

    PL学園の選手はなぜ胸に手を当て、なんとつぶやいていたのか…強力打線と強靭メンタルの秘密

  5. 10

    悪質犯罪で逮捕!大商大・冨山監督の素性と大学球界の闇…中古車販売、犬のブリーダー、一口馬主