「大きくなる日」佐川光晴著

公開日: 更新日:

 明日は太二が1歳の時から通った山花保育園の卒園式。今日は、いつも仕事で忙しいお父さんがお迎えに来てくれた。家族4人そろっての夕ご飯も久しぶりだ。お父さんは、ぼくが「タイちゃん」と赤ちゃんぽく呼ばれるのが嫌で、その時、大好きだった「都営地下鉄三田線くん」と呼んでくれと言った3歳の時の思い出話をまた始めた。お父さんは、その時に星野先生だけがきちんと「三田線くん」と呼んでくれたことを今でも感心している。ビールを飲んでご機嫌なお父さんに小学校4年のおねえちゃんは、明日はテニススクールがあるから卒園式には行かないと言い出す。(「ぼくのなまえ」)

 太二が中学3年生になるまでと、その友人たちの成長を描く、心に染みる家族小説集。

(集英社 580円+税)

最新のBOOKS記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    ドジャースの“朗希タンパリング疑惑”で大迷惑!米29球団&日本プロ球団こぞって怒り心頭の納得理由

  2. 2

    柔道ウルフ・アロン「誤審」「不可解判定」「AI審判」「やらせ疑惑」をとことん語る

  3. 3

    ロッテ佐々木朗希は母親と一緒に「米国に行かせろ」の一点張り…繰り広げられる泥沼交渉劇

  4. 4

    陰で糸引く「黒幕」に佐々木朗希が壊される…育成段階でのメジャー挑戦が招く破滅的結末

  5. 5

    吉永小百合(10)「15歳年上のバツイチと、よく一緒になりましたね」会員限定記事

  1. 6

    「建築界のノーベル賞」受賞の権威が大阪万博をバッサリ!“350億円リング”「犯罪だと思う」

  2. 7

    渡部建はキスなし即ベッド“超自己中SEX” 元カノ女優が激白

  3. 8

    渡辺徹さんの死は美談ばかりではなかった…妻・郁恵さんを苦しめた「不倫と牛飲馬食」

  4. 9

    柔道ウルフ・アロンが“弟分”斉藤立を語る「仏リネール選手はタツルに持たれることを恐れていた」

  5. 10

    石川佳純の争奪戦からフジテレビが脱落情報!五輪キャスター起用でアドバンテージあるはずが…