「健康格差 あなたの寿命は社会が決める」NHKスペシャル取材班
古今東西、さまざまな健康法が登場しているがハッキリした効果があるのは「お金持ちになること」だ。事実、日本老年学的評価研究は「低所得の人の死亡率は、高所得の人のおよそ3倍」と報告している。お金持ちが住む地域がそうでないエリアの人たちより寿命が長いことはさまざまなデータから明らかになっている。本書は昨年9月に放送されたNHKスペシャル「私たちのこれから“健康格差”あなたに忍び寄る危機」を担当ディレクターがまとめた一冊。国内外の実例を紹介し、健康問題は社会システムの問題であり、すでに個人の努力では乗り越えられないことを教えてくれる。政治に無関心だと健康すら保てない。それが世界の常識である。
(講談社現代新書 780円+税)