「人間の値打ち」鎌田實著

公開日: 更新日:

 格差社会や上司のパワハラなどで、「自分には生きている値打ちがない」と思わされている人や、その結果、うつ病や自殺に追い込まれる若者たちが増えている。本書は、地域医療、そして被災地での支援活動に携わってきた著者が、「人間の値打ち」とは何かについて考察した生き方エッセー。

 高齢者を財政のお荷物扱いする政治家の発言や、税金の無駄だと障がい者を殺害した犯人、その犯行に同調する人々など、根源的な人間の価値が軽んじられている現状を憂う。一方で都会の生活に嫌気が差して家族とともに八ケ岳の山麓に移住して便利屋を始めた男性や、傾きかけた企業を立て直したリーダーなど、出会ったさまざまな人物たちの生き方を紹介しながら人間の値打ちを決める7つの要素について語る。

(集英社 740円+税)

最新のBOOKS記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    “3悪人”呼ばわりされた佐々木恭子アナは第三者委調査で名誉回復? フジテレビ「新たな爆弾」とは

  2. 2

    フジテレビ問題でヒアリングを拒否したタレントU氏の行動…局員B氏、中居正広氏と調査報告書に頻出

  3. 3

    菊間千乃氏はフジテレビ会見の翌日、2度も番組欠席のナゼ…第三者委調査でOB・OGアナも窮地

  4. 4

    中居正広氏「性暴力認定」でも擁護するファンの倒錯…「アイドル依存」「推し活」の恐怖

  5. 5

    大河ドラマ「べらぼう」の制作現場に密着したNHK「100カメ」の舞台裏

  1. 6

    フジ調査報告書でカンニング竹山、三浦瑠麗らはメンツ丸潰れ…文春「誤報」キャンペーンに弁明は?

  2. 7

    フジテレビ“元社長候補”B氏が中居正広氏を引退、日枝久氏&港浩一氏を退任に追い込んだ皮肉

  3. 8

    下半身醜聞ラッシュの最中に山下美夢有が「不可解な国内大会欠場」 …周囲ザワつく噂の真偽

  4. 9

    フジテレビ第三者委の調査報告会見で流れガラリ! 中居正広氏は今や「変態でヤバい奴」呼ばわり

  5. 10

    トランプ関税への無策に「本気の姿勢を見せろ!」高市早苗氏が石破政権に“啖呵”を切った裏事情