「幕末ダウンタウン」吉森大祐著
新選組隊士となった播磨精次郎は、四条大橋で旧知の噺家、桂文枝に声をかけられた。大阪でバクチの借金のかたに自分のネタを質に入れてしまったので、京に流れてきたという。剣の腕に自信がない精次郎は寄席で情報をつかんで手柄を立てようとする。花街を題材にした物マネで人気の女芸人、松茂登に一目惚れするが、彼女は新選組が狙っている長州藩士とつながりがありそうだ。
文枝に勧められて精次郎は芸人を装うことになり、播磨名物の太神楽を披露するが、……ウケない。客にやじられてキレた精次郎が怒鳴り返すとそのキレ芸が受けて、松茂登とコンビを組むことに。
芸人になった新選組隊士を描く幕末エンターテインメント。(講談社 1400円+税)