「不便ですてきな江戸の町」永井義男著

公開日: 更新日:

 ある日、日本近世史を専門とする研究者・会沢竜真の元へ、会沢の古文書解読講座の受講生で大手出版社勤務の島辺国広から電話がかかってきた。

 伯母の遺産である一軒家の片付けに行ったところ、見知らぬ引き戸があり、こじ開けると暗黒の闇が広がっていて、手を伸ばすと体が吸い込まれ、気がつくと草むらに尻もちをついていたというのだ。そして、人家が並ぶところへ歩いていくと男も女も着物姿で、しかもまげを結っている。慌ててスマホで写真を撮るが、その様子を見ていた村人に追いかけられ、ほうほうの体で現代に戻ってきたというのだ。会沢は島辺と2人で江戸の町へのタイムスリップの探検に出掛ける――。

 SF小説仕立てで江戸時代の風俗・習慣などを生々しく描いた新趣向の江戸ガイド本。

(柏書房 1600円+税)

最新のBOOKS記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    「とんねるず」石橋貴明に“セクハラ”発覚の裏で…相方の木梨憲武からの壮絶“パワハラ”を後輩芸人が暴露

  2. 2

    今思えばゾッとする。僕は下調べせずPL学園に入学し、激しく後悔…寮生活は想像を絶した

  3. 3

    参院選で自民が目論む「石原伸晃外し」…東京選挙区の“目玉候補”に菊川怜、NPO女性代表の名前

  4. 4

    NiziU再始動の最大戦略は「ビジュ変」…大幅バージョンアップの“逆輸入”和製K-POPで韓国ブレークなるか?

  5. 5

    フジテレビ問題「有力な番組出演者」の石橋貴明が実名報道されて「U氏」は伏せたままの不条理

  1. 6

    サザン桑田佳祐の食道がん闘病秘話と今も語り継がれる「いとしのユウコ」伝説

  2. 7

    我が専大松戸の新1年生は「面白い素材」がゴロゴロ、チームの停滞ムードに光明が差した

  3. 8

    逆風フジテレビゆえ小泉今日子「続・続・最後から二番目の恋」に集まる期待…厳しい船出か、3度目のブームか

  4. 9

    新沼謙治さんが語り尽くした「鳩」へのこだわり「夢は広々とした土地で飼って暮らすこと」

  5. 10

    石橋貴明のセクハラ疑惑は「夕やけニャンニャン」時代からの筋金入り!中居正広氏との「フジ類似事案」