「その症状、すぐ病院に行くべき?行く必要なし?」山中 克郎著
何らかの不調があるとき、すぐに病院に行くのがいいのか、自宅で様子を見ていても大丈夫なのか、判断に迷うことがある。そこで本書では、総合診療医の著者が患者への問診時にチェックする項目を紹介。さまざまな不調別に、その日のうちに病院を受診するべき症状や1~2週間のうちに病院に行けばいい症状などを解説している。
胸焼けには重篤な疾患が隠れている場合もあるので油断は禁物だ。早朝に歩いたり階段を上ったりすると胸焼けを感じる、胸焼けとともに冷や汗が出る、下顎や肩にも圧迫感を感じる、などの症状があるなら、狭心症の疑いがあるためすぐに病院を受診するべき。何らかの原因で心臓に酸素を送る動脈が細くなると、血流が不十分になって胸焼けのような症状が表れることがあるためだ。
このような症状はないものの、空腹時に胸焼けとみぞおちの痛みがあるという場合は、十二指腸潰瘍の可能性がある。慌てなくてもよいが、病院の受診を予定しておきたい。
めまいが起こると脳に異常が起きたのかと不安になるが、寝返りをうつなど頭の位置を変えると激しいめまいが起こるが1~2分で治まるなら、三半規管に原因のある良性頭位性めまい症という、心配のないめまいの可能性が高い。落ち着いて自宅で様子を見よう。ただし、めまいとともに物が二重に見える、食べたり飲んだりするとむせるという症状があるなら、小脳塞栓や脳幹梗塞の恐れがある。躊躇せずに救急車を呼ぶべきだ。
(CCCメディアハウス 1500円+税)