「認知症は自分で治せる」竹内東太郎著

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 親や配偶者、あるいは自分自身に認知症の症状が出てきたら、誰もが絶望的な気持ちになるだろう。しかし、まずは落ち着いて、その認知症の“種類”を把握して欲しい。認知症の中には治せる可能性の高いタイプもあるためだ。

 アルツハイマー型に代表される「脳変性性」の認知症には、他にもレビー小体型やピック病などがある。これらの認知症は脳の変性によって神経細胞の死滅が広がり、脳が萎縮することで起こるが、萎縮の原因が明らかでないため治すのが難しい。アルツハイマー型はβアミロイドというタンパク質の異常増殖が原因といわれるが、なぜβアミロイドが増えるのかが分かっていないため対処にも限界がある。

 一方、「脳血管性」と呼ばれる認知症は治せる可能性が高い。脳卒中の後遺症や慢性硬膜下血腫、脳脊髄液が停滞する特発性正常圧水頭症によって起こるものだが、脳血流の低下により神経細胞が死ぬことで認知機能が低下する、と原因が明らか。そして、新しい神経ルートを作ってやれば、脳機能が復活し認知症が治せるという。

 新しい神経ルートを作るのは意外と簡単。本書では、手や足の指を動かして脳に刺激を与える「OK指体操」を紹介している。例えば、両手の指の間を素早く開いたり閉じたりする「手指パッパ開閉運動」、足指を両足同時に丸めたり広げたりする「足指ニギニギ屈伸運動」など、自宅でも簡単にできるものばかりだ。認知症と診断されても、諦めてはいけない。

 (マキノ出版 1300円+税)

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