「官僚の掟」佐藤優著

公開日: 更新日:

 決裁文書を改ざんした財務省や、局長が受託収賄容疑で逮捕された文科省など、官僚による不祥事が相次いでいる。自らもかつて外務官僚だった著者が、高い実務能力を持ちながら倫理意識に欠ける高級官僚と官僚組織の実態とその行動原理を解き明かした官僚論。

 明治時代から続く官僚階級には独自の文化が形成されているという。3省それぞれのタブーを表している「自殺の大蔵(財務省)、汚職の通産(経産省)、不倫の外務」という慣用句や、ドラマにもなった外務官僚による10億円の機密費私的流用などを取り上げながら、官僚の掟や体質的問題点を解説。さらに、官僚たちが仕える安倍内閣を反知性主義と痛烈に批判し、それでも内閣が国民に支持される背景を分析する。

(朝日新聞出版 790円+税)

最新のBOOKS記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    ロッテ佐々木朗希は母親と一緒に「米国に行かせろ」の一点張り…繰り広げられる泥沼交渉劇

  2. 2

    米挑戦表明の日本ハム上沢直之がやらかした「痛恨過ぎる悪手」…メジャースカウトが指摘

  3. 3

    陰で糸引く「黒幕」に佐々木朗希が壊される…育成段階でのメジャー挑戦が招く破滅的結末

  4. 4

    9000人をリストラする日産自動車を“買収”するのは三菱商事か、ホンダなのか?

  5. 5

    巨人「FA3人取り」の痛すぎる人的代償…小林誠司はプロテクト漏れ濃厚、秋広優人は当落線上か

  1. 6

    斎藤元彦氏がまさかの“出戻り”知事復帰…兵庫県職員は「さらなるモンスター化」に戦々恐々

  2. 7

    「結婚願望」語りは予防線?それとも…Snow Man目黒蓮ファンがざわつく「犬」と「1年後」

  3. 8

    石破首相「集合写真」欠席に続き会議でも非礼…スマホいじり、座ったまま他国首脳と挨拶…《相手もカチンとくるで》とSNS

  4. 9

    W杯本番で「背番号10」を着ける森保J戦士は誰?久保建英、堂安律、南野拓実らで競争激化必至

  5. 10

    家族も困惑…阪神ドラ1大山悠輔を襲った“金本血縁”騒動